採取した尿を遠心分離器にかけますと、様々な成分が沈殿します。それを顕微鏡で観察して調べるのが尿沈渣になります。強拡大(400倍)して顕微鏡にかけ、1視野あたりの観察結果を表します。尿沈渣は腎臓や尿路系の病気診断において重要な検査となります。尿が腎臓で作られ尿路や膀胱に通過して排せつされる間に、剥がれ落ちたりして混入するものを調べる事によって、腎臓や尿路系の病気の種類や部位を推測する事が出来ます。採尿後、手早く検査していきます。尿の採取は、自然排尿ではなく清潔に中間尿を採取する必要があります。服用薬や発熱・運動などによって沈渣が生じる事も有る為、注意する必要があります。血尿の場合、尿路での出血源の確認が大切です。感染症・腫瘍・糸球体腎炎の可能性があり、画像診断などが必要です。膿尿の場合では、感染症の可能性が疑われます。ですので、細菌検査が必要だと言えます。膿尿の頻回あるいは長期的に持続している場合には、腫瘍・結石・膿瘍・奇形などの腎・尿路系基礎疾患を疑う事ととなります。円柱類は血球やたんぱく成分などが固まったもので、円柱の種類に応じて疑わしい病気を検査していきます。その他の関連される検査として、尿潜血・尿たんぱく・クレアチニン・尿細胞診・腹部超音波検査などがあります。これら諸検査から総合的に判断し、診断確定を行う事となります。