喀痰検査・関節液検査

喀痰、ようするにたんの事ですね。基本的には生体が気道をきれいにする過程で発生するものです。まずは、この喀痰がどういったものなのかもう少し掘り下げようと思います。喀痰は、気管支の壁にある気管支腺などから分泌された粘液を主体とした液体成分が、外から吸入されて入り込んだ微細な異物・病原体、加えてはげ落ちた自身の細胞成分などと混ざりながら、気管支の表面の細胞の繊毛運動によって上昇していき、下界へ痰として吐き出される仕組みになっています。正常な状態では、喀痰の量というのはごく僅かです。ところが、空気中の様々な刺激物や細菌・ウイルスなどの病原体による感染や、さらには呼吸器系のがんの発生などによってその量は増え、或いは正常も膿性・血性などに変化する事もあります。従って、喀痰を調べる事は呼吸器系の病気の診断においてたいへん重要になってきます。喀痰検査の中では、細胞とりわけがん細胞の有無を見る為の細胞診検査と感染症の有無や原因となる病原体を同定する為の微生物学的検査の2つが重要です。前者については健康診断で行われることも有ります。検体を提出する際には、唾液ではなく、喀痰そのものを出すように注意する必要があります。さて、もう一つ検査のご紹介をしたいと思います。「関節液検査」と言います。私たちの身体の関節すべてには関節液という液体が存在しています。場所によってその量こそ異なりますが、膝関節では数ml程度とされています。関節というのは関節包という袋状の膜に覆われており、関節液はそこから分泌されています。関節液は、関節を構成する軟骨などに栄養を与えると共に、関節が動く際の謂わば潤滑油的な働きを担っています。この関節液が異常に増えた状態の事を、俗に「水がたまる」と言いますが、その原因を究明するべく本検査が行われます。関節液を注射で吸い取る検査となります。関節液の外観や性状を確認すると共に、液体成分の分析・細胞・結晶成分を分析します。

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