感染性の肺疾患を患う患者さんに対して行う対策としてまず行うべきことは、他の同日受診者と医療スタッフたちへの二次感染を防ぐことである。このことは極めて重要だと言っても過言ではない。上気道の感染ないし軽度の肺感染症に見受けられる咳症状がある場合には、問診の段階でチェックしマスクの提供・着用が非常に大切である。直ちに画像診断を行い、異常所見がみられる場合には速やかに診察医へ報告、診察医の判定をもとに今後の対応を決定するという迅速的な伝達・判断も重要となってくるのだ。肺機能検査が含まれている健診コースの場合、そのオース自体継続するのか中止するのか判断する必要があり、継続するのであれば、検査中に排菌する可能性が高い為、その前段階の単純X線撮影にて病変の有無を確認することが何よりも大切だ。
中でも、感染性の肺結核、これが最も対策が重要となる病気だ。人間ドックで結核の可能性があった場合には速やかに検査を中断し、受信者を別室へ導く。診療医より状況の説明を行い、迅速的に専門病院への受診手続きを行う。紹介状の作成・状況に応じて宛先の病院へ連絡を取り、二次感染を最小限にとどめる対策をするのである。そして、それと同時に担当スタッフへのフォローアップ、インターフェロンγ遊離試験などの検査を行うことで感染予防対策を講じ、手順良く対応していくことが大切であり、日頃より素早く対応できる体制を整えておくことが最も好ましいといえるだろう。