前立腺ドック

泌尿器、特に前立腺を中心にご紹介しようと思う。前立腺がん、胃がんや肺がんを抜いて男性のがん死亡数の第1位になっているがんだ。また、毎年1万人を超える人々が前立腺がんを原因として亡くなっている。(平成26年の統計に基づく)
前立腺がんの大きな特徴は、早期の内が無症状であるという点であろう。サイレント・キラーと称される病気の一つでもあるのだ。前立腺がんによって命を落としてしまわぬためにも、前立腺がんの検診を行うことで早期発見に努めていきたいものである。そして適切に治療を進めることが大切だ。加えて、この検診を行う意義はもう一つ、男性高齢者の排尿障害を判定することである。排尿障害は生活の質を大きく阻害する原因の一つだ。判定を行うことによって、高度の排尿障害をもつ人に専門医受診を提案することも出来るし、何より本人の生活改善に大きく役立つことも可能となるのだ。
さてこの前立腺がんの検査であるが、最も好ましいのは、潜在的リスクを把握することではないだろうか。前立腺がん罹患の高危険度群PSA基礎値を40歳で測定し、その後も定期的に受診するというのが望ましいといえるだろう。
前立腺がん検診の一次検査は先ほども少しお伝えしたPSA、血液検査の一つと捉えてもらえればよいだろうか。このPSA検査で基準値を超えた際には、二次試験として前立腺触診・エコー、MRIなどの画像検査を行い、ここで前立腺がんが疑われた場合は生検を行うという流れだ。合併症として、血尿・血精液症・尿路感染症・尿閉・直腸出血が認められるケースもあるが、重篤化することは極めてまれである。
なお、公益財団法人前立腺研究財団の行ったアンケート調査によると、前立腺がんの発見率は49歳未満・50~69歳・70歳以上と年齢に伴って徐々に高くなっていくことが分かった。つまり、前立腺がんが高齢者がんであることを顕著に示しているという事だ。

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