肥大型心筋症

心筋症は、原因が不明という例もありますが、およそ60~70%は家族歴を認めます。心臓は特に左心室の肥大(とりわけ心室中隔の肥大)とそれに起因する心機能障害が特徴的です。左心室(特に流出路)に狭窄がある時は、閉塞性肥大型心筋症と呼ばれます。症状としては、労作時の息切れが代表的でしょう。更に労作時の胸痛やめまい・失神発作もあります。不整脈が合併すればその症状も現れます。20歳未満の発症は死亡率が一般人の16倍とされていますが、それ以降の発症例では1.2倍と一般人とさほど変わりません。年間の死亡率は突然死が1%、次いで心不全死が0.6%、そして塞栓症死が0.1%という順になっており、突然死の主要な危険因子は心停止の既往歴・持続性心室頻拍・突然死の家族歴になります。肥大型心筋症の検査時において、心電図では左右非対称の深く陰転したT波が特徴的です。心エコーでは、心室壁の肥厚、肥大型閉塞性心筋症では左室流出路に速い血流が認められます。心筋生検をしなければ、カテーテル検査は不要です。肥大型心筋症と診断を受けた場合、薬(β遮断薬など)・除細動機能つきのペースメーカー植え込み・右心室ベーシング・カテーテルよる心室中隔焼灼・心室中隔心筋切除術などで治療を行っていく事となります。

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