PSA

この検査は、血液の採取によって行える為容易だといえ、信頼性も高い検査だとされている。

人間ドック健診や日常臨床で前立腺がんのマーカーとして非常に重要視され、広く用いられている。PSAの数値が4.1以上あるならば、前立腺がんの可能性を疑う。

前立腺がんは前立腺の辺縁部に現れ、排尿障害・頻尿などの症状が無いことで知られている。無症状であることが多い前立腺がんは発見も伴って遅れてしまいやすい。そのため、PSA検査によるスクリーニング検査は役に立つのである。


今後検査は更に簡易に行われるようになることが求められているといえるだろう。特段、50歳以上の男性に対して住民健診・人間ドックでPSAの導入が更に増加することが望まれる。

なお、家族歴や年齢的にリスクが高まってきている人については定期的な検査を勧めたいものである。

血圧検査の結果から分かる事

高血圧の状態が長く続くと、血管に高い圧力がかかったままになります。すると、血管壁は脆くなり、これによって様々な障害が発生します。高血圧は、脳卒中・心筋梗塞の最も重要な危険因子の1つです。また、これらの病気は、喫煙・糖尿病・脂質異常症・肥満に加え、既に罹患している高血圧に基づく脳・心臓・腎臓などの病気が深く関係してきます。

血圧測定は、こういったリスクを発見するべく行います。高血圧と診断を受けたら、血圧を下げることが大切になります。喫煙・過度なストレス・運動不足・飲酒などの生活習慣も見直す必要もありますね。

ただし、血圧の目標値は、その人の年齢や合併症などによって変わってきます。動脈硬化のリスクがある人・生活習慣を改善しても血圧が下がらない人・中等症・重度の高血圧の人は医師の指導のもと、降圧剤を服用して血圧をコントロールしていきます。

さて、ここまでは高血圧に焦点を当てましたが、低ければいいというものでもありません。血圧が低くくても、身体には異変が起こります。高血圧程の診断基準はありませんが、一般的に収縮期血圧が100mmHg を下回る場合を低血圧と言います。男性よりも女性の方が5~10mmHg 低いとされていますが、自覚症状が無ければ正常と考えます。

頭痛やめまい、吐き気などの症状に悩まされていて、社会生活を送るのに不自由さを感じるという場合には、低血圧による病気を考える事になります。

尿検査

検査用に採取した尿を試験紙に浸し、各項目の判定用色調表に従って異常の有無を検出するのが本検査である。採尿は早朝若しくは随時清潔中間尿とし、採尿後は素早く検査を行う。なお、中間尿とは放尿の最初と最後は捨て中間部分だけ採取した尿の事である。
そもそも、尿生成の最大の目的は、過剰な水分・体内の老廃物を排泄する為である。この尿中に含まれている様々な代謝物や電解質・有形成分などがどれだけ現れているかを調べることにより、腎機能を検出したり尿路系疾患を発見したり、さらには心臓・肝臓をはじめとする他臓器の機能・疾病についても知ることが出来るのである。採尿であれば、採取も容易で尚且つ被験者への負担・苦痛も少なくて済むという利点がある。また、診断価値も極めて大きい為、臨床においてはたいへん重要なのである。

血液スクリーニング検査で異常が認められた時、甲状腺機能低下症・悪性貧血・ビタミンB1欠乏症・神経梅毒等の症状が代表的に挙げられ、これらは「治療可能な認知症」と言われることもある。しかしながら、一般の人間ドックでは必ずしも組み入れられていない検査項目もあるのだ。認知症・脳ドックではこれに関連する検査項目のチェックが必要となる。検査結果に異常が見られた場合は、その結果に応じて適切な専門診療科に紹介する事が大切である。
また、MRIなどの画像検査で異常が発見された場合も同様に、その内容によって専門医への紹介を行ったり、人間ドックないし一般内科で生活習慣なの改善指導を行ったりすることもある。慢性硬膜下血腫・水頭症・脳腫瘍などが疑われる場合は脳神経外科へ、脳神経外科的疾患が無いにも関わらず認知機能の低下が疑われている場合はアルツハイマー病などの変性疾患による認知症の可能性を視野に入れ神経内科・老年病科・精神科などに連携を図り、診断確定・治療に努める事となる。
認知機能スクリーニングでは異常はないものの、血管性のリスクをもっているという場合は、生活習慣やスタイルの改善指導が必要である。このことが認知症発生予防において大変重要であり、これを受信者に十分に説明し、少なくとも1年ごとの受診を勧める事が大切である。

運動器ドック

日本における人間ドック及び健康とは、元来感染症の予防が目的であった。そこから時代の移り替わりと共に、がんなどの生活習慣病・代謝性疾患・動脈硬化性疾患などの予防へと発展していった。加えて、今日の日本は長寿大国となり、そのことが新たな課題をもたらしている。そのうちの一つが、高齢化社会に伴う介護・衰えていくことにより起こる低栄養状態「フレイル」・そして認知症疾患などの増加であるといえるだろう。これらを適切に評価し、且つ予防・対策に勤めていかなければならないのであるが、健診・人間ドックの伝統的検査項目だけでは十分に把握・評価しきれていないのが現状である。
また、実際の在宅医療においては「寝たきりの状態ではあるも、一般健診項目上では異常無し」というケースもしばしばだ。これらの加齢に伴う健康問題は、該当しない年代層の健診で異常が無ければ健康と判断されることも多い。しかしながら、その時点でリスクが潜んでいる可能性だってある。適切な「健康」という判断は何なのだろうか。この問題も解決すべき点であるだろう。この背景を受けて、導入されたのが運動器ドックなのである。
この運動ドックとは、骨・関節・筋肉量を含めた体組成を評価し、尚且つ予防に繋げていくことを目的として行っている。問診によって食事や日頃の運動習慣を詳細に調査していくものである。運動若しくは身体活動の種類・強度・頻度・一日の内じっとしている時間はどれだけあるかといった項目を調査していくのであるが、そのほか関節痛や腰痛の有無などの項目も合わせてみていく。この問診結果に加え、腹部CT・内臓脂肪面積測定や各種代謝マーカーを測定することで、筋・骨格に関する病変だけに留まらず代謝疾患という面からも運動介入の検討を行うための指標となっている。

前立腺ドック

泌尿器、特に前立腺を中心にご紹介しようと思う。前立腺がん、胃がんや肺がんを抜いて男性のがん死亡数の第1位になっているがんだ。また、毎年1万人を超える人々が前立腺がんを原因として亡くなっている。(平成26年の統計に基づく)
前立腺がんの大きな特徴は、早期の内が無症状であるという点であろう。サイレント・キラーと称される病気の一つでもあるのだ。前立腺がんによって命を落としてしまわぬためにも、前立腺がんの検診を行うことで早期発見に努めていきたいものである。そして適切に治療を進めることが大切だ。加えて、この検診を行う意義はもう一つ、男性高齢者の排尿障害を判定することである。排尿障害は生活の質を大きく阻害する原因の一つだ。判定を行うことによって、高度の排尿障害をもつ人に専門医受診を提案することも出来るし、何より本人の生活改善に大きく役立つことも可能となるのだ。
さてこの前立腺がんの検査であるが、最も好ましいのは、潜在的リスクを把握することではないだろうか。前立腺がん罹患の高危険度群PSA基礎値を40歳で測定し、その後も定期的に受診するというのが望ましいといえるだろう。
前立腺がん検診の一次検査は先ほども少しお伝えしたPSA、血液検査の一つと捉えてもらえればよいだろうか。このPSA検査で基準値を超えた際には、二次試験として前立腺触診・エコー、MRIなどの画像検査を行い、ここで前立腺がんが疑われた場合は生検を行うという流れだ。合併症として、血尿・血精液症・尿路感染症・尿閉・直腸出血が認められるケースもあるが、重篤化することは極めてまれである。
なお、公益財団法人前立腺研究財団の行ったアンケート調査によると、前立腺がんの発見率は49歳未満・50~69歳・70歳以上と年齢に伴って徐々に高くなっていくことが分かった。つまり、前立腺がんが高齢者がんであることを顕著に示しているという事だ。

リウマトイド因子について

リウマトイド因子の本体というのは、関節リウマチの患者の血中に高頻度で出現する、免疫グロブリンGのFcという尾っぽの部分に対する自己抗体だそうです。
関節リウマチというのは、慢性的に手足の関節などが腫れ上がって傷んだりする病気だそうです。
これが長引くと、関節が変形して動きにくくなったりするそうです。
特徴的な症状やX線検査などから、診断は容易につくそうです。
ただ、他の関節の病気と紛らわしいこともあるそうです。
病気の重症度を数値で客観的に評価できるならば、病勢のモニターもやりやすくなるそうです。その点、リウマトイド因子の検査は関節リウマチの診断に果たす役割は重要となってくるそうです。
リウマトイド因子の検査は、関節リウマチの患者のおよそ80%が陽性となるそうです。
陽性となれば、関節リウマチの疑いが強いそうです。この逆に陰性であっても関節リウマチである可能性もあるそうです。
関節リウマチ以外でも陽性となることもあるそうです。
全身性エリテマトーデスというのでは、30%近くで陽性になるそうです。
肝硬変や肝炎・悪性腫瘍などでも陽性になるそうです。
さらに健康な人でも2〜5%程度は陽性になるといわれているそうです。
関節リウマチの診断ではリウマトイド因子の検査だけに頼ることないようにした方がいいそうです。
手や指のX線検査、関節液検査などの検査も行い、総合的な判定をするということになるそうです。
また、リウマトイド因子の検査で陽性だとしても、過度に心配するのはよくないそうです。
医療機関で相談をしてほしいそうです。
リウマトイド因子の基準値は、定性法で陰性、定量法で15IU/ml以下だそうです。
基準値を外れて高値だと、関節リウマチや全身性エリテマトーデスの他に、シェーグレン症候群、その他の膠原病、肝硬変などがあるそうです。

出血時間について

出血時間というのは、特に一次止血の異常のスクリーニング検査として施工されるそうです。
皮膚に一定の傷つけたあと、30秒おきにろ紙に血液を吸収させて、傷口からの出血が止まってろ紙に血液が付着しなくなるまでの時間をはかるそうです。
針を刺すなど傷の付け方によっては、結果に差がでるそうです。
出血時間の基準値は1〜3分(デューク法)だそうです。
止血反応というのは、からに備わっている大切な防御機構だそうです。
よほどのケガでない限り、たいていの場合は血は止まるかと思います。これはからだに精緻な止血機構が備わっているからだそうです。
血が止まるまでの時間が長くなると、まずは一次止血の異常が考えられるそうです。
大部分は血小板の異常を反映するそうです。
基準値より短い場合はとくに問題はないそうです。
出血時間が延長した場合は、まず血小板数をチェックするそうです。
これが正常ならば、血小板の機能低下を考えて、特殊な血小板機能検査を行うそうです。
実際には、血小板数を先に測定することが多いそうです。
これが以上に低値のときには、出血時間が延長するということで、出血時間の検査は省略するそうです。
出血時間の検査は再現性がそれほど高くないそうです。
かつては重要な検査として、手術前によく行われていたそうです。
しかし現在では、血小板数が正確に測定できるようになったので、出血時間を測定することの重要性が低下してきているそうです。
血小板の減少の原因としては、薬物や放射線などによる造血障害、特発性血症減少紫斑病、全身性エリテマトーデス、白血病など、さまざまなものがあるそうです。
血小板の機能異常としては、先天性血小板機能低下症や薬物性のもの、尿毒症などが考えられるそうです。

エラスターゼⅠ

エラスターゼⅠというのは、膵臓で作られ膵液中に分泌されて十二指腸乳頭部に流れていく酵素です。産生の場である膵臓の異常・流れ出す経路の異常によって、血液中の濃度が変化します。膵臓が著しく破壊される急性膵炎や慢性膵炎・膵がん・膵臓の外傷性変化によって血液中のエラスターゼⅠは上昇します。また、胆嚢や胆道の石・腫瘍・炎症などで膵液の流れが阻害されると血液中に流れ出し、エステラーゼⅠ濃度が高値になります。アミラーゼやリパーゼと同様、消化管穿孔や腹部手術でも高値となり、腎臓での排泄障害を反映して腎不全でも上昇します。このエラスターゼⅠの特徴として、血液中での分解スピードがアミラーゼ・リパーゼよりも遅いというのがあります。従って、病気の進行が速い急性膵炎の評価にはアミラーゼ・リパーゼが適しているとも言えます。しかし、膵がんなどに随伴して起こる膵炎の検出・すなわち膵がんの発見にはエラスターゼⅠがより有効だとされています。膵臓の病気、とりわけ腫瘍を早期に発見するというのは難しく、病気のもともとの正確として腫瘍が発生した早期に大きく広がったり転移したりする為、非常に治療が難しいというのが現状です。お腹の奥深くにある臓器という事もあり意外と症状が出にくいという点も、発見が遅れてしまう原因の1つだと考えられます。検査法の進歩、どのような方に発生したすいのか等、さらなる事実解明により多くの症例で治療が可能となり、予後の改善に至る事が望まれます。

胆のう・胆道・膵管造影検査

肝臓でつくられる胆汁は、肝臓の中にある細い胆管から、これが集まってできる総胆管に流れていき最終的に十二指腸の乳頭部に到達します。総胆管の横に風船状に出っ張っているのが胆のうです。先ほどの胆汁はここに溜められて、食事などの時に胆のうが縮み、一気に十二指腸へと流れる仕組みになっています。この際の胆汁の通り道が胆道になります。一方で、膵臓でつくり出される膵液は、細い膵管からこれが集まる主膵管へと流れ、総胆管に合流して十二指腸乳頭部に到達します。これら胆汁や膵液が流れている道に腫瘍が病変が出来るという事があります。胆石や腫瘍など、病変も様々ありますが、これらの病変部を詳しく検査するのが、本検査です。胆のう・胆道・膵管造影検査と言います。本検査は、腹部X線撮影では映らない為、X線撮影時に識別できる造影剤を用います。現在広く行われている検査としては、直接造影剤を注入する方法としての内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)と、特に胆道に対しての経皮経肝胆道造影(PTC)です。また、カテーテルを胆道や膵管に挿入して、出来ている石を取り除くという事も可能です。悪性腫瘍が疑われている場合には、その組織の一部や胆汁・膵液を採取してより詳しく検査する事も出来ます。一般的に本検査は、胃内視鏡検査に比べて検査時間が相対的に長く、十二指腸壁の薄い部分を傷つける可能性があります。また、造影剤を用いた事で検査後に膵炎を起こすという可能性もあり、これらの注意点は留意しておく必要があると言えるでしょう。